VOICE 01
スタッフさんの言葉で見つけた私たち夫婦らしいお葬式
- 岡山市在住
- 藤井様
不安だった私、すべてを受け止めてくれ心が軽くなりました
初めてさくら祭典さんを訪ねたのは、夫の余命が1カ月と言われたころでした。夫がとても桜が好きだったことから、名前に縁を感じ何気なく足を運んだのがきっかけでした。当時の私は、夫に元気になってほしい思いと、夫を亡くすかもしれないという思いで、精神状態は最悪かつ複雑。正直なところ、なんで今、私はここに来たんだろう…という思いすらありました。
そんな状態で突然訪れた私の話を受け止めてくれたのがさくら祭典のスタッフの皆さんです。まだ奇跡が起きるんじゃないかと願っていること、実際にここで葬儀をお任せするかは分からないこと、私の思いをすべて受け止めた上で「一緒にがんばりましょう」、そう言ってくれました。夫の闘病やその後のこと、それまで一人で抱えていたことがふっと軽くなった瞬間でした。
2回目にさくら祭典さんを訪れたのは、お医者さまから「あと数日です」と言われたころです。初めての喪主で何も分からず、夫の家の宗派さえ知らない私に、まずは基本的なことから教えてくださいました。無宗派で葬儀ができることもそこで初めて知りました。無宗派なら自由な形、自分たちらしい形で見送れるのだと。丁寧に説明いただい上で、私が自分で選んだのは無宗教での葬儀でした。
みんなで祭壇を囲み、みんなで見送るという新しい形
コロナ禍で入院中の面会がかなわず、身内・友人・会社の方に夫はほとんど会うことができませんでした。多くの方が夫の回復を願い、自宅に千羽鶴やお札を持って思いを伝えにきてくれました。今でも感謝しています。
心からの感謝をみんなに伝えたい、それは夫も私も同じでした。その強い思いを感じて、スタッフさんが提案してくださったのが祭壇をホールの中心にというプラン。初めて聞く形に、最初はただただ驚きましたが、紙に書いて詳細な説明を聞くうちに、これだ!と直感しました。この形で見送りたい。
どこに座っても参列者全員から祭壇が見える、夫からも皆さんが見える形。夫を皆さんで囲んでいただいてお別れできる。私の心をすべて分かってくれているような提案でした。形式や宗教にとらわれず、みんなでお別れができたことが、今でも私の心を支えています。今からの時代は、こういう自分に合ったお別れの形がいいんじゃないかとも感じました。
歌があったからこそ届けられた夫の思い
もともと夫は音楽が好きで、口下手なところがあったので、「今日はこの曲を聴いておいて」と曲をLINEで送ってくれることがありました。体調がすぐれず、長く話せないときもあったので、音楽をメッセージ代わりに届けてくれていたんです。そんな話もスタッフさんとの対話の中で出ていました。
すると、「皆さんで合唱するのはどうですか?」と言っていただいて。素敵です!とすぐに賛成しました。そこで選んだのが「栄光の架け橋」。夫が2回目の手術直前に送ってくれた曲でした。過酷な再手術を止めようとする私に、「僕にとってこれはエールの曲なんだ。だからこれを聞いてがんばりたいし、がんばろうと思ってほしい」と夫が言った曲でした。
そして、ただ歌うだけよりも文字を目で見た方が心に残るからと、スタッフの方が用意してくれたのが歌詞カードです。そのカードも本当に素敵で、随所にお心遣いを感じました。
式が終わったあと、いとこが「お兄ちゃんが希望を捨てずに、どれだけ病室で闘っていたかがよく分かったよ」と言ってくれました。いとこだけでもそう感じてくれたことにはすごく意味があるし、きっと多くの参列者の方々の中に、いろんな思いを抱いてくださった方がいるかもしれないと感じました。
言葉だけでは伝え切れない思い――歌があったからこそ届けられたんだと思います。
打ち合わせをする中で、迷ったことの一つが霊柩車です。二人乗りや四人乗りなど種類がいくつかあること、価格が違うことを丁寧に説明してくださいました。私の頭の中では、義父母も一緒に乗った方がいいのかな、それなら高くても四人乗りにしなきゃいけないかな…といろんな思いがめぐり、なかなか答えが出ませんでした。
そんな私の心の声が聞こえたのか、スタッフの方がそっと一言「僕の考えをお伝えしてもいいですか…?」と。「ご夫婦でよくドライブされていたようなので、“お二人の最後のドライブ”でいいんじゃないでしょうか…」。もう涙が止まりませんでした。
私のとりとめのない話をすべてちゃんと覚えていてくれている。私たち以上に、私たち夫婦らしい形を分かってくれている。それがうれしくあり、心強くあり、いろんな感情が涙になって溢れました。おかげで、納得できるものを、自信をもって選ぶことができました。
悔いのないお別れができたからこそ切れる新たなスタート
葬儀のあと、義父母をはじめ、いろんな方が「すごくいいお葬式だったよ」と言ってくれました。特に叔父は「形式なんて気にする必要ないんじゃ。(祭壇を中心に)四方からお焼香ができたからみんなの顔がよく見れて、ええ葬式じゃ」と。高齢の叔父がそんなふうに思っていたことに驚きました。生活様式自体が変わり、価値観も変化してるんだなと改めて感じた言葉でした。
これまで、葬儀はとにかくお金がかかるというイメージしかありませんでしたが、費用の内訳を明確に説明いただいたこと、何より私の気持ちを一番に考えていただいたことで、多くの不安が解消できました。私のペースに合わせ、最初から最後まで寄り添ってくださったスタッフの皆さんのおかげです。
悔いのない、最高の形で見送れたことは、私にとっても家族にとっても大きな心の財産となりました。だからこそ今、こうして前向きな気持ちでお話しできるんだと思います。本当にありがとうございました。